ハエはとくに毒をもっているわけでもなければ、私達に噛み付いたり吸血したりするわけでもありません。
そのため、単なる不快害虫としてみられがちなハエですが、こいつらを野放しにしておくことは絶対にNG。
ハエはO-157などを始めとした恐ろしい感染症をいくつも引き起こす害虫なのです。
本記事では以下のことについてまとめています。
ここで分かる情報
『最近、コバエの数がすごくて…』とか『部屋のハエを退治したい!』などなど、自宅内外のハエに悩まされている方は是非本記事をチェックしてみてください。
ハエを媒介する病原菌が命に係わる可能性
日本だけでも約3,000種類が生息しているハエ。
その中でも下記で紹介しているイエバエやセンチニクバエ、オオクロバエ、ヒメイエバエの4種類は、私達の生活に深く関係しています。
ハエによる被害は、主に心理的なストレスと、感染症やウィルスによる健康被害の2つです。
日本国内でもハエが原因で起こった感染症の例は多く、以下の菌を媒介していることが確認されています。
- 腸管出血性大腸菌O-157
- 鳥インフルエンザ
- 大腸菌
- 黄色ブドウ球菌
- 赤痢菌
- 腸炎菌
- サルモネラ菌
これらの被害から身を守るためにも、ハエの駆除・対策を行う必要があります。
日本に生息する危険なハエの種類
ここでは日本国内に生息するハエの中でも、数も多くあらゆる病原菌をもたらすことの多いハエを紹介したいと思います。
ここからハエの画像がいくつか並びます。
苦手な方は次項の「ハエの生態」へスクロールしてください。
クリック!ハエの生態

成虫体長は4~9mmで、灰褐色をしています。
胸背には4本の黒縦線があり、住宅に好んで侵入してくる種類です。
昼は台所や居間などに多く、ミルクや果汁など糖分のニオイに集まってきます。
イエバエは日本全域に生息しており、養豚場や鶏舎、牛舎などの糞やゴミ処理場のなかで発生し、病原性大腸菌O-157を媒介する厄介な害虫です。

成虫体長は8~14mmで、全体的に青藍色、腹背には灰色の縦縞模様があります。
主に、魚や肉類のニオイにひかれて集まり、成虫は越冬もするため、冬でも日中によく見かける種類です。
人の家の周辺に生息し、動物の死体やゴミが溜まっている場所、動物の糞によく集まります。
また、幼虫は便池や鶏糞などから発生するため、センチ(便所)という名前の由来がつけられています。
センチニクバエは、“ハエ症”を引き起こす厄介な種類です。
食材に卵を植え付け、それに気づかずに食べてしまうことによって消化器ハエ症を引き起こすと言われています。

成虫体長は10~12mmで、身体は全体的に丸く、腹背は褐色で灰色の市松模様をしています。
日本全土に生息しており、幼虫は動物の死体や便池が発生源となりますが、草食動物の糞尿からは発生しません。
北海道は夏の時期、沖縄では2~3月と全国的に生息しながらも活動時期は地域によってバラバラです。
本州や四国では秋口にかけて発生し、富士山などの登山者が多い山小屋の便所ではオオクロバエが大量発生することがあります。
オオクロバエの被害は主に病原菌の感染です。種類としては赤痢やコレラなどがあげられます。
以下の3つがオオクロバエによる感染の被害経路です。
- 汚染された物に徘徊して触れた際に付着した菌での2次感染
- 汚染された物を食べたハエの排泄物による感染
- 幼虫時に食べた汚染物の菌がそのまま成虫となり感染

成虫体長5~7mmで、身体は黒褐色、腹部には黄色紋があります。
日本全国に生息し、見た目はイエバエに似ていますが、身体はヒメイエバエの方が小さく、左右の翅の一部をまとめているため、イエバエよりもほっそりと見えるのが特徴です。
発生源は鶏舎や台所のゴミなどですが、イエバエよりも水気のない場所から発生します。
主な被害は、大規模な経営をしている鶏舎の周辺に大量発生し、近隣の住民へと移動することによって起こるハエ公害です。
ハエの生態
ハエは頭・胸・腹の3つに分けら左右に3本ずつ、計6本の足が生えています。
そのため、れっきとした昆虫の仲間ですが、ハエの多くは人のいる場所に生息、自然環境のなかであまり生活することはありません。
昆虫は自然環境のなかで生きるイメージがとても強いですが、ハエは数少ない人間とともに生息している害虫なのです。
ハエは2週間足らずで卵から成虫になる
ハエの一生はとても忙しく、卵として産み落とされると1日足らずで孵化します。
その後、幼虫は早くて1週間ほど、遅くても10日以内に蛹となり、4~11日前後で成虫になるのです。
つまり、卵から成虫になるまでに2週間前後しかかからないということ。
成虫になると4~5日以内に産卵を開始し、1度に50~150個ほど、ハエの一生のうちに約500個の卵を産み落とすといわれています。
ハエが発生しやすい場所
ここでは家の中でハエが発生しやすい場所を紹介します。
- 台所や居間
食品を主に扱う場所である台所と、それを食べる場所である居間。
それだけ、ハエが求めているニオイを発している場所のため、発生しやすいポイントの1つです。 - トイレ
人の排泄物をタンパク源として摂取するため、トイレもハエが発生しやすい場所です。
特に、気温が上がりやすい夏の時期には、排泄物のニオイが強くなりやすいため、ハエが発生しやすくなっています。 - ペットのトイレや餌
人間の排泄物同様に、ペットの排泄物や餌の残りにもハエは寄り付く習性があります。
感染症に関しても人間同様にペットが発症する可能性も少なくありません。 - ゴミ保管場所
生ゴミを保管している場所も、独特のニオイからハエを引き寄せてしまいます。
好きなだけ食べるものもあるため、ハエにとっては楽園のような場所。
そのため、卵を産み落とされる可能性も高く、大量発生してしまう可能性もあります。
害獣による被害もハエが発生する原因
私達の家の屋根裏や軒下に居座ることがあるネズミやハクビシン、イタチ、アライグマなどの害獣も、ハエが発生する原因です。
害獣の糞のニオイに引き寄せられたハエが卵を産み付けると、数週間後には大量発生を引き起こします。
そのため、ハエ対策をしていたのにハエが自宅内外を飛び回っているという場合は、獣害によって引き起こされた可能性も考えられます。
心当たりのある方は、状況が深刻化する前に害獣業者に依頼して根本的な解決を考えてみてはいかがでしょうか。
ハエを家に寄せ付けないための対策方法
ここからはハエを家に寄せ付けないための対策方法を紹介します。
確実とまではいかないですが、やらないよりはやっておいて損はない!といったものになります。
屋外で行うハエの対策方法
まずは屋外からハエを寄せ付けない対策法をいくつか紹介したいと思います。
庭にイヌの小屋を置いて、そこで糞や尿をさせている場合はこまめに拾うだけでもハエの発生をおさえる対策として効果は抜群です。
糞尿のニオイはハエが集まる大きな原因といえます。
また、自宅外に一時保管場所としてゴミ箱を設置している方は、必ず密閉式の蓋付きを選ぶようにしてください。
長く育った草や積み上げられたままの雑草の山はハエが住みやすい環境の1つです。
さらに、これはシロアリにも同様のことがいえるため、他の害虫対策としても庭の手入れは欠かさないようにしましょう。
すくなくとも、以下の2つは行うようにしてください。
- 余計な低い木や葉、草、枝などを刈り取る
- その切れ端を庭に放置しない
これだけでも、ハエや他の害虫が寄りつきにくい環境を作り出す事が可能です。

ハエは湿気が高く淀んだ水がある場所に自然とよってきます。
そのため、自家菜園などをしている方にありがちですが、底に水が貯まる容器を外に出したまま放置するのは絶対にやめましょう。
ハエだけではなく、蚊の発生原因にもなります。
放置された水をそのままにしないというのも、大切なハエ対策です。

ベランダやドアの周りなどに、ハエが嫌うニオイを放つ植物を置いておくだけでもハエは近寄りづらくなります。
ハエを寄せ付けない対策としてオススメの植物はバジル/ミント/ラベンダー/クロバナエンジュの4種類です。
屋内で行うハエの対策方法
次に屋内にハエが入ってこないように、家の中で注意してほしいポイントと対策法を紹介します。
ハエは食料がある台所や居間によく発生します。
そのため、自宅に引き寄せない対策として、食品や調味料を放置しないことが非常に大切です。
これだけでも、ハエによるウィルスの感染症を予防することができます。
また、三角コーナーなど生ゴミを入れる場所や洗い物も溜めないようにしましょう。
衛生面から考えると長時間洗い物を溜めることはオススメできません。
一時的な対処法として水を溜めた容器に食器をいれておくなどハエが寄り付かないようにしておくことが大切です。
ハエを侵入させないために、物理的な対策をとるのも非常に効果的です。
窓やドアを開けっ放しにしないというのはもちろん、網戸をうまく利用するようにしましょう。
また、網戸をしていてもハエがはいってくる場合は、網戸の破損の可能性があります。
小さなコバエに関しては、全く壊れていない網戸でも侵入してきますが、ほとんどの害虫は網戸がしっかりしていれば入ってくることはありません。

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また、グレイとブラックに色が分かれているため、ちょっとした模様替えのような楽しみもあります。
網戸に小さい隙間があいている場合は、「隙間テープ」などの格安グッズで補修してしまいましょう。
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「隙間ふさぎ防水テープ」は、2mで300~400円代で販売されているため、こちらも気軽に利用することができます。
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特に夏場になるとニオイが溜まりやすくなるトイレ。
ハエの対策として、こまめに換気と掃除を繰り返し、ニオイができるだけこもらないようにすることが大切です。
また、水洗トイレの場合は、封水(ふうすい)の水かさにも注意が必要。
封水とは便器のなかにある水のことを言いますが、突然この水位が低くなってしまった場合は、トイレになんらかの異常が起きていると判断しましょう。
排水管のニオイが逆流して悪臭が立ち込める原因にもなり、ハエの大量発生にもつながります。
トイレの封水チェックも、忘れずに行うようにしましょう。
ニオイの発生源となる生ゴミ。
夏の時期になると、さらにそのニオイは強さを増し、ハエを引き寄せてしまいます。
しかし、生ゴミはいつでも捨てられるわけなく、ゴミ箱のなかにいれておいてもニオイを完全にシャットアウトすることはできません。
そこでオススメなのが、生ゴミを冷凍室に入れてしまう方法です。
実際に、私の家でも行っている対策方法ですが、魚の内臓などの生ゴミを袋にいれた上から再び袋をかぶせます。
それを強く縛った後に冷凍室に入れておくだけで、生ゴミのニオイに悩まされることは一切なくなるため、暑くなってきたこの時期は特にオススメです。
簡単にできるハエの駆除方法
前項ではハエを家に寄せ付けない方法を紹介しましたが、気づいた頃には時すでに遅しということもあるでしょう。
家でくつろいでいたら、ヤツ(蠅)がいる!
ここからは発生してしまったハエを駆除する方法を屋外と屋内に分けて紹介していきます。
屋外に発生しているハエを駆除する方法
屋外ならまだ安心と思っても、すぐにでも家の中に入り込んでくるのがハエ。
安心はできないのです。
簡単に駆除ができる方法をいくつか紹介したいと思います。
コンビニの喫煙所エリアの近くでよく見かけるライトトラップ。
青っぽい光に引き寄せられた害虫達が触れた瞬間 “バチバチ!” という音とともに、黒焦げになってしまう装置です。
と思われる方もいるかもしれませんが、ライトトラップは意外と価格帯が低いため手にとりやすい商品です。
実際に2,000円代から販売されていますので、本格的にハエや蛾などの害虫駆除をしたいという方は一度検討してみてはいかがでしょうか。
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これはほぼ0円で作ることができます。
ペットボトルでハエ駆除装置を作成する方法は以下のとおりです。
- 500mlのペットボトルを用意する(炭酸の丸いタイプがベスト)
- ペットボトルの底から大体5~7センチくらいの場所に、ドライバーなどで直径1センチほどの穴を入れる
- 2で作った穴を中心に、2mm程度の小さい穴を上下左右2センチの範囲で開けまくります
- その中に、水と魚料理に使った内臓などニオイの強いものをいれる
- 日の当たるところに設置して1週間~2週間ほど放置する
以上です。
これだけで、100匹以上のハエを駆除できますので、作るのはカンタンなのに効果は抜群。
是非一度お試しください。
害虫駆除といえば殺虫スプレー。
メーカーごとに特徴があり、少しの量だけで駆除できる商品や距離が離れているハエもカンタンに退治できるタイプなど種類も豊富です。
屋内外で手軽に駆除することができるため、家庭に1本は用意しておくことをオススメします。
屋内に潜むハエを駆除する方法
家の中に入り込まれたら、イライラやストレスが溜まってしまいますよね?
ここでは屋内に入り込んだ蠅を駆除する方法を紹介したいと思います。
その名のとおり、めんつゆさえあればカンタンに作成することができるめんつゆトラップ。
容器にめんつゆと水、洗剤を混ぜるだけで完成するため、手間暇をかけたくない方に非常にオススメです。
人によっては感想が違いますが、とても高いハエの駆除効果があるといわれています。
めんつゆ:水=1:5
上記の割合でいれて、洗剤を数滴入れておけば完成なので、是非一度試してみてはいかがでしょうか。
ハエとり線香は、室内にいるハエを外に追い出す手段としてオススメです。
ハエは明るい場所へ飛んでいく習性があることから、電気を暗くするだけでも街灯など明るい場所へ飛んでいこうとします。
そのため、夜に消灯して窓をあけた状態でハエとり線香を使用してください。
駆除する方法としては役不足に感じますが、自分の家からハエを追い出す手段としては非常に高い効果が期待できます。
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安くて手軽に使えるハエ取り紙。
100円で6つ入っているなど、自作を除いた駆除方法の中ではもっともコスパ面で充実しています。
設置したところにコバエが止まれば二度とそこから動けなくなるというアイテムのため、仕掛ける場所が良ければ効果は抜群です。
玄関まわりやキッチンなど、コバエが多い所に吊るしておくようにしましょう。
コバエを一網打尽にすることも可能ですw
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数が多いなら害虫駆除業者に依頼したほうがいい
上記で紹介した対策・駆除方法でも効果を感じられないほどコバエが多い場合は、害虫駆除業者に依頼しましょう。
そのため、自分で行うよりも費用はかさみますが、アフターフォローがついている業者も多いため、徹底的にハエを駆除することが可能です。
「ハエ取り業者 住んでいる地域名」で検索し、いくつかの業者から見積もりをもらうようにしてください。
その上でサービス面などから比較してハエ取り業社を選ぶようにしましょう。