ペストと聞くと病気(感染症)を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
事実、1340年代では8,500万人の命を奪った最悪最凶の感染症でした。
1日で1万人以上が死亡していたと考えると、その被害の壮絶さが少なからず実感できるのではないでしょうか?
東京ドームは55,000人が収容できるので、約5日間で全滅するということです。
…とはいえ、本記事で話す内容はこの感染症のペストという意味ではありません。(多少解説はしています)
ムカデやゴキブリ、蚊、ハエ、鳥インフルエンザなど、現在私達の生活のなかで有害だとみなしている生物やウィルス。
その総称をペストと呼んでいます。
本記事でいうペストとは害虫やウィルスの総称、ということです。
ペストという言葉は2つの意味で使われている!
害虫駆除について調べていくと、「ペスト」という言葉にぶつかったのではないでしょうか?
そもそもペストとは辞書で調べてみると以下のように表記されています。
ペストとは?
害虫、厄介者、ペスト菌による感染症で日本では「黒死病」と呼ばれている
特に日本国内では黒死病、ようするに疫病のイメージが特に強いはずです。
執筆者は、小学生の時にペストという病気のことを授業中に聞かされていました。
そのため、私自身ペスト=感染症というイメージを持っていますが、本記事で紹介する意味合いは少し違います。
本記事で紹介するペストとは、いわゆる広義的な意味での「ペスト」です。
広義の意味でペストとはゴキブリ、ダニ、ノミ、ムカデ、シロアリ、ネズミ、蚊、ハチなどの一般的な害虫と、不衛生なカビやウィルス(鳥インフルエンザなど)を含めた総称として呼んでいます。
狭義:ペスト(黒死病)<広義:害虫やウィルスの総称
感染症のペスト「黒死病」とは?
まず、感染症のペストについてカンタンに説明しておきます。
感染原因はネズミ・犬・ネコにいるノミ
日本国内では1899年に輸入時に運び込まれてから27年の間に何度か流行しています。
その特徴としては、感染者数が2,905人なのに対して、死者数が2,420人と感染者数の約8割以上の方が亡くなったということです。
当時の流行がここまで抑えられているのは、当時の発見者である北里柴三郎と彼の指導の元アグレッシブに対策行為を行った日本政府のおかげであることは間違いありません。
とはいえ、現在ペスト対策が不十分な地域に日本人観光客や商社マンが多数足を踏み入れていること。
日本市場の自由化にともなったペットの輸入量の増加から、さらなるペストの持ち込みのリスクが高まっています。
最近ではアメリカから輸入するはずだったプレーリードッグがペストを発症、大量死した事例を元に、2003年以降この犬種に限って輸入禁止措置が取られています。
いつ再び国内でペストが流行するかはわかりませんが、その危険性は常にあるということです。
害虫獣生物のペストとは?
現在ペストとは感染症ではなく、害虫や有害物質などという意味でも使われるようになったことは上記でも紹介しました。
例えばゴキブリです。
ゴキブリの害虫としての性質は、以下の3つにわけることができます。
- 不快害虫
見た目の気持ち悪さから、同室にゴキブリがいることに対するストレスや不安など - 経済害虫
飲食店や宿泊施設での発生や作物が食い散らかされるなど - 衛生害虫
菌やウィルスなどをもっているため、さまざまな感染症のリスクを引き起こす
特に経済害虫としては飲食店を経営している方にとって、かなり衝撃的な調査結果が残されています。
それは、ゴキブリを見つけた飲食店には「もう行きたくない」と約99%のお客様が答えたというもの。
それだけ、ゴキブリの繁殖とお店の経営は直結しているということですね。
さらにゴキブリは、サルモネラ菌・赤痢菌・チフス菌・大腸菌などを体表面につけていることから、飲食店での食中毒などのリスクも高まるのです。
ここまででも分かるとおり、ゴキブリは人間社会にとって有害生物であることは言うまでもありません。
ゴキブリの生態や駆除、対策方法について知りたい方はこちらもチェック!

そして、人間社会にとって有害生物もしくは有害ウィルスのことを「ペスト」と呼ぶのです。
オススメのゴキブリ駆除業者についてはダスキンなどが良いといわれています。
ペストコントロールとは?
害虫駆除や有害物質という意味でのペスト。
その言葉とセットで覚えなければいけないのが、「ペストコントロール」です。
勘の良い方なら分かると思いますが、ペストコントロールとは害虫や有害物質の数をコントロールするということ。
コントロールという言葉には多くの意味が含まれていますが、「管理する」「制御する」という意味がここで1番適した使い方です。
なるほど、ペスト(有害生物や物質)を管理するということだね!となんとなく分かったような、分からないような感じでしょうか。
カンタンに説明すると、害虫がいても困る場所(街や住宅)とそうではない場所(山や人が住んでいない地域)に区別して、人に害を及ぼさないように管理するということです。
そう思われるのも当然ですが、全滅させるのは以下の理由から実行することはありません。
- 全てを駆除するのには時間と手間がかかりすぎる
- 人間にとっては害虫でも、自然社会のなかではいわゆる益虫としての働きを持っているものが多数存在する
どちらも納得できる内容ですね。
日本の在来生物であるクロアリを例にして説明します。
家やその周辺にいて、駆除剤を撒いたという経験がある方も多いでしょう。
通常であれば、駆除対象であるクロアリですが、ヒアリが荷物によって運び込まれたさいに、以下のことが話題となっていました。
ヒアリが日本に侵入したさいに、絶対に自分でヒアリ駆除をしないでください!という情報をまだ覚えている方もいるはずです。
その理由の1つとして、日本の在来種であるクロアリ達も一緒に駆除されてしまうことで、さらにヒアリが繁殖するリスクが高まるからです。
ヒアリとクロアリを駆除剤で退治する < ヒアリとクロアリを戦わせる
という構図からも分かるとおり、クロアリと戦わせた方がヒアリを倒せる可能性は圧倒的に高いのです。
一見有害である生物も、環境や見方が少し変わるだけで人間にとっても自然社会にとっても有益な存在になるということの分かりやすい例として紹介しました。
もちろん、他の害虫にもほとんど同様のことがいえます。
ヒアリの生態や駆除・対策方法についてはこちらをチェック!

そのため、あくまでも害虫の全滅ではなく、人間に害を及ぼさない範囲での駆除(ペストコントロール)が必要なのです。
害虫獣生物のペストはコントロールがとても大切
上記からペストコントロールが大切なのは分かっていただけたはずです。
本記事で紹介した内容をおさらいすると以下のとおりになります。
なぜ全滅してはいけないのか?については上記で紹介したとおりです。
そして、これを実際に自分で行うとなれば素人の方にはまず確実に不可能だと言い切れますよね。
ただ害虫駆除に効果のあるスプレーを散布したり、毒エサとなるベイト法を行うだけで精一杯でしょう。
しかし、これではペストコントロールとはいえないだけではなく、住宅内の完全駆除も危ういといえます。
と執筆者である私はいま力説をしているわけですが、ここでも注意が必要です。
なぜなら、害虫駆除業者と一括りにいっても、環境に配慮をしない(知識がないためできない)業者は無数にあります。
ペストコントロールとは、害虫の生態や習性を知りつくし、高度な防除技術が必要不可欠なため、すべての業者で対応していると思うと大きな間違いなのです。
いわゆる害虫駆除のスペシャリスト=ペストコントロール技術をもった害虫駆除業者ということです。
自宅内に潜む害虫の殲滅だけではなく、環境についても考えてくれる害虫駆除業者を選ぶようにしてください。
詳しくペストコントロールについて知りたいという方はコチラをチェック!